中国の年中行事

元旦(1月1日)

日本や欧米諸国のように新暦を祝う習慣はないが、元旦である1月1日だけ企業などが休みになる。中国では新暦ではなく、旧暦(春節)を祝う。

春節(旧暦1月1日)

春節は日本の正月と同様、中国最大の行事である。旧暦の新年は毎年異なるが、1月の後半から2月の前半になることが多い。春節の期間は、企業、商店など3日から一週間ほど休みになる。地方に出稼ぎに出ている人など多くの人々が帰省し、一家団欒の時を過ごす。春節時は交通機関が混雑し、料金設定も通常より高くなる。正月の料理は、一般的に南方は「餅」、北方は「餃子」を食べる。夜中12時を過ぎると家々で一斉に爆竹を鳴らし、花火をあげ、にぎやかに新年を迎える。

元宵節(旧暦1月15日)

旧暦の新年から15日目過ぎた日を元宵節という。新年になってから初めて見える満月の夜で、その日は家族と一緒に満月のように丸い餡入りの団子スープを食べる。地方によっては、灯籠を揚げる習慣もある。

情人節(2月14日)

情人節とはバレンタインデーのことを指し、一般的に若い人の間で知られているイベントである。欧米の習慣と同じように、男性が女性にバラの花束を贈ったり、食事をご馳走したりする。日本のように3月14日のホワイトデーを過ごす習慣はない。

婦女節(3月8日)

国連の記念日で国際婦人デーと呼ばれている。1904年3月8日にアメリカで行われた「女性参政権要求宣言」にちなんで設定された。中国では女性に関する会議や行事が行われ、女性のみ仕事が半日休みになる。

清明節(4月5日頃)

春分の15日前後を清明節という。日本のお盆のように故人を偲び、先祖の墓参りをする。またこの時、墓の掃除をする習慣もあるので「掃墓節」とも呼ばれている。

労働節(5月1日)

労働者の休日であるメーデーで労働節を挟んで連休になる。この時期を利用して旅行にでかける中国人が多く、日本のゴールデンウィークとも重なるので観光地はどこも大変混雑する。期間中は観光料金も値上げされる。

端午節(旧暦5月5日)

春秋時代、楚国を代表する詩人の屈原を記念し、チマキを食べたり龍船祭りを行う日である。屈原は多くの民衆から人望を集める存在であったが、楚国の行く末を憂うあまり川に身を投げ自殺してしまう。彼を慕う民衆は屈原の遺体が魚に食べられないように川に向ってチマキを投げた。このことから、端午節にはチマキを食べる習慣が生まれ、屈原を助けるために船を出したことにちなんで現在の龍船祭り(ドラゴンボードレース)が行われるようになった。

児童節(6月1日)

国際子供デーにちなんで作られた子供のための祝日。14歳以下の児童は一日休みになる。休みの日に子供は両親と遊びに行ったり、プレゼントをもらったりする。

行政区記念日(7月1日)

1997年に英国から香港が返還された日。共産党の記念行事が行われる。

建軍節(8月1日)

1927年8月1日の中国共産党の武装蜂起を記念する日で、解放軍関係者のみ半日休みになる。期間中は各地で行事が行われ、中国人民解放軍の誕生を祝う。

中秋節(旧暦8月15日)

中秋節は中秋の名月の日に、「月餅」という焼き菓子を食べながら一家団欒の時を過ごす中国伝統行事。月餅とは中に餡や塩漬けしたあひるの卵などが入っている伝統菓子である。中国国内では期間中、日頃お世話になっている人や会社の取引先などに月餅を贈る習慣がある。

教師節(9月10日)

教師節は学生が教師に感謝する日である。また、この日は孔子の誕生日でもある。学生はカードや花束など、日頃の感謝の気持ちを教師に伝える。

重陽節(旧暦9月9日)

中国の陰陽思想では奇数は陽の数であり、縁起のよい「9」が二つ重なっていることから重陽と呼ばれている。また菊が咲く季節であることから、菊の節句とも言われている。山頂で菊花酒を飲めば疫病にかからずに済むという昔からの言い伝えがあり、今もなおその習慣が残っている。

国慶節(10月1日)

中華人民共和国建国記念日。一週間ほどの大型連休になり、中国の観光名所は観光客で賑わう。春節の次に盛大な連休である。

臘八節(旧暦12月8日)

仏教行事のひとつで、釈迦が悟りを開いた日とされている。僧侶を中心に、一年の豊作を祈るため、「臘八粥」という8種類の穀物で作ったお粥を食べる地方もある。

クリスマス(12月25日)

中国の都市部では若者を中心にイベントやパーティーなどが行われる。クリスマスの次に中国最大の祝日、春節を控えているため、クリスマスのデコレーションやイルミネーションは春節まで飾られる。