中国五大砂漠

日本や欧米諸国のように新暦を祝う習慣はないが、元旦である1月1日だけ企業などが休みになる。中国では新暦で

*グルバトングータ砂漠

古尔班通古特沙漠腹地

グルバトングータ砂漠は新疆ジュンガル盆地の中心、マナス河の東方と烏倫古河の南方に位置しており、中国でタクラマカン砂漠に次ぐ大きさを誇る。また中国で最も大きい固定砂丘及び半固定砂丘で、1958年からは移動砂丘も確認されている。面積は約4.88万㎡、標高が300から600mに及ぶ。「グルバトングータ」はモンゴル語で、「グルバン」というのが「三つ」という意味を指す。

グルバトングータ砂漠には果てしなく続く海のような沙丘と生い茂る木々の風光が共存し、幻想的な蜃気楼と風食された地貌の造形が存在する。日中は黄砂で手が火傷するほど熱い。それにひきかえ夜になると冬のように寒い。砂漠探検するならば、東道海子(地名)から北方へ行き古駝道(地名)からグルバトングータ砂漠を通って、アレタイに着くことができる。そこには奇観が広がるだけでなく、貴重な「シルクロード」文化遺跡も多く保存されている。北庭都府遺跡、大清真寺、馬橋故城、西泉製錬遺跡、一〇三団場新渠城子遺跡、一○五団場頭道溝古城遺跡などの名勝地は古駝道の近くに位置している。

*タクラマカン砂漠

塔克拉玛干沙漠腹地

タクラマカン砂漠はウイグル語で「入ったら出てこられない」砂漠という意味を指し、「死の海」「死の世界」などと称されている。砂漠は南彊のタリム盆地に位置しており、東西に1000㎞、南北に400㎞以上で面積が337600㎡もある。この面積は世界でサハラ砂漠に次ぐ広大さであると同時に、世界第二位の流動砂漠でもある。

タクラマカン砂漠は流動砂丘の面積が広く、砂丘の高さは100~200m、高い所で300mほどもある。砂漠の奥地は様々な高さの砂丘が重なり龍のように存在しており、塔型の砂丘郡が蜂の巣、翼、魚の麟のような形状をしている。また、砂漠の奥地には赤白がはっきり分かれた「聖墓山」と称される高大な沙丘がある。これは紅沙岩と白石膏で構成される堆積岩が地表を露出してから形成されたためである。

「聖墓山」にある風食された茸形の岩石は壮観で、高さ約5mの巨大な傘形の岩石の下には10人以上入ることができる。

タクラマカン砂漠の地面の温度が70℃から80℃に達し、激しい水気の蒸発や温度差から、時折蜃気楼を目にすることができる。砂漠の周囲はヤルカンド河、タリム河、和田河と車尔臣河の両岸には木々が生い茂り「砂海緑島」という景観を形成した。また、砂面の地下には豊かな水資源と石油などの鉱物資源がある。

紅白山から観られる和田河の秋の景色は一生に心に残る景観と言われており、秋から翌年の春にかけて、特に10月下旬から11月中旬まではタクラマカン砂漠へ旅行するのに最も良い時期とされる。和田河の両岸のポプラは光に照らさるため、濃い黄色に輝き、金色のリボンが大地に巻き付いているように見える。

*バダインジャラン砂漠

巴丹吉林沙漠

バダインジャラン砂漠(巴丹吉林砂漠)は中国内モンゴル自治区アラシャン右旗に位置する。面積は4.7万k㎡で中国で三番目、世界で四番目に大きい砂漠となる。砂丘の標高は1200~1500mで、その中でもバヤンノル、ドンキホーテという砂丘は世界で一番の高さを誇る。バダインジャラン砂漠の年間降水量が40㎜にも満たないが、湖は100個以上存在する。天をつくほどに高くそびえる砂山や神秘的な鳴砂、静かな湖と湿地は独特な美しい景観を作り上げている。毎年、多くの国内外観光客の人気を集めている。

奇峰・鳴砂・湖・神泉・寺はバダインジャランの「五絶」と呼ばれている。風力を受けてできた砂丘は海で逆卷く大波や高くそびえる古い塔のような姿に見える。200mを超える砂丘は切り立った峰と刃のような砂脊を持つ宝日陶勒蓋の鳴砂山は砂が滑る時に雷のような音が聞こえ、「世界の鳴砂王国」という美称を持っている。そして砂漠の中に星のように分布している多数の湖は塩湖を主として最も深いのが6m、岸辺にはアシが生え、水鳥が遊び戯れる「漠北江南」と称されている。

また泉も存在しており、「神泉」と呼ばれている音徳日図の泉が最も有名で、湖の中心に位置し、泉からきれいな水が湧き出ている。約3㎡の小さい島には108の穴があり、そこから湧き出る泉の水が甘く美味しい。

蘇敏吉林寺はアラサンで最も古い歴史的人文景観のひとつである。1755年に建造され、面積が300㎡の2階建てで、建造時使った煉瓦や石、木材などはすべて人工で輸入されたと伝えられている。砂漠の東部と南西側にはゴビ砂漠が果てしなく広がり、奇異な石林、キノコや蜂の巣の形状をした石、大峡谷などの珍しい景観が広がる。また、牧畜や狩猟生活の様子を生き生きとする記録したマンデラ山岩絵は「美術界の活化石」と呼ばれている。

*鳴沙山会

鸣沙山

鳴沙山は神沙山・沙角山とも呼ばれ、敦煌市の南西5kmにあり、当地のカザフ(トルコ系の少数民族で,新疆ウイグル自治区・甘粛省・青海省に居住する遊牧民.主として羊と馬を放牧する)人に「アイアクム(音がある砂漠)」と称されている。鳴沙山は東の莫高窟のある岩壁の頂上から西の党河の河口まで、東西の長さ40km、南北の幅20km、標高は1,715m、面積は200㎡である。鳴沙山は赤・黄・白・黒・橙の5色の細かい砂粒で出来ている。鳴沙山は二つ特徴を持っている。第一に高所から滑り降りると雷のような音が聞こえることでその名の由来となっている。第二に昼間沙山に登った際に残る足跡は翌日にはなくなってしまうことである。その起伏は延々と続いており、黄金色の輝きを持ち非常に美しい。

中国国家級名勝地として、毎年の5月から10月までは敦煌鳴沙山とシルクロードを観光するのに最も良い季節、訪れた人は裸足で砂山に登ったり、砂を滑ったり、ラクダに乗って砂丘に登ることができる。そして、パラグライダー体験、沙浴など活動も盛んである。また、甘粛ならではの行事と言えば、甘南地区のラブラン大法会と浪山節である。それ以外、中国甘粛蘭州の中国シルクロード祭、毎年8月18日~28日定期に行う蘭の花交易会と毎年七月の桃花会、春節社火祭などの活動がある。

*寧夏沙坡頭

沙坡头

沙坡頭は中衛県西から20㎞離れた謄格里砂漠の南部に位置しており。乾隆年間(中国清代1711年9月25日~1799年2月7日)、黄河の北岸部には2000m、約100mの高い砂堤を形成し、沙陀頭または沙坡頭とも言う。2005年10月、沙坡頭は「中国地理雑誌」に「中国最も美しい五大砂漠の一つ」と評された。

沙坡頭観光区の特色の一つは砂滑り。天気が良い日に傾斜度60度の沙坡から滑り降り、鐘のように鳴る砂は「沙坡鳴鐘」という呼ばれている。中国四大鳴沙の一つとなる。もう一つは沙山の北面には果てしなく広い謄格里砂漠で、沙山の南方は青々と茂っているオアシスがある。観光客らは砂漠の美しい景色が見れ、緑色の龍のように延々と続いており包蘭鉄道(中国包頭市から蘭州までの鉄道)を眺められる。またラクダに乗って砂漠へ散策したり、写真を撮ったりすることができる。

そして、羊の皮で作ったいかだに乗り古い河を渡ることである。この筏のことを「排子」と呼び、作り方は羊の頭と蹄を切り、首の所から羊の肉、内臓や骨を取る。そして、羊の皮が破けないように羊の首と四肢を結わえつける。皮胎をふくれさせる。最後、麻ひもと柳の木で枠組みを作り、皮胎を枠組みの下に結わえつけて筏が出来上がる。「排子」は観光客から大人気のイベントなのである。