廬山国家公園

  廬山国家公園は1996年に世界遺産登録された。廬山は江西省九江市の南部に位置する。別名、匡山または匡廬といい、「匡廬奇秀甲天下」(匡廬の奇秀は天下一である)と称えられるほど、その峰々が織り成す雄大で秀麗な風景は古来より有名である。廬山の山脈全体の面積は282平方キロメートルで大部分の峰の海抜は1000メートル以上、主峰の漢陽峰は海抜1474メートルである。東には鄱陽湖、南は滕王閣、西には京九線が走り、北には長江が流れている。白く幻想的な雲や霧の中に、湖や滝、山々が聳えたち、美しい山水画の世界が広がる。多くの詩人、文学者、画家らが廬山を描いており、東普以来、廬山を詠んだ詩は4000首を超える。夏は爽やかな気候で過ごしやすいことから国内有数の避暑地とされている。近年、毛沢東、周恩来、蒋介石などの有名政治家が廬山に別荘を構えた。このことから、廬山は国民の憧れの別荘地となっている。

 如琴湖  
如琴湖は廬山の上に位置する湖で、バイオリンのような形をしている。中心には湖心島があり、九曲橋がかかっている。この湖は花径公園や錦繍谷歩道に行く拠点となっており、多くの観光客が集まっている。

 廬山博物館
もともとは毛沢東の旧居で「芦林別荘」と呼ばれており、中西合壁の別荘であったが、1984年に博物館になった。中には地質遺産のほか、多くの詩人、画家、書道家、哲学者が残した文物や、珍しい青銅器、陶磁器、字画などが保存されている。許衆竜が書いた「五百羅漢図」は特に珍しい。

 仙人洞
仙人洞は天然洞窟で、八仙のひとりである呂洞賓が修行して登仙した洞窟であると伝えられている。断崖の上にあり、洞の高さは10m余りで中には石で彫った純陽殿があり、その中には石像がある。また旧石器時代晩期から新石器時代初期にかけての貴重な遺跡で、稲作と土器の発祥地としても知られる。文化・歴史的価値が非常に高く、1996年世界遺産に登録された。
中には泉などがあり、外には「老君殿」[蟾蜍石]「御碑亭」「石松」など数多くの景観がある。仙人洞からのご来光や眺望の撮影を行う写真愛好家たちも少なくない。

 錦繍谷
廬山にある遊歩道の1つで如琴湖から仙人洞までの断崖にある。谷の中が凄くきれいで錦のようであることから「錦繍谷」と名付けられた。
晋代に高僧の慧遠がよくこの谷へ薬を採りにきたと伝えられている。谷には天橋や人頭石、錦繍峰など諸名勝がある。天は高く谷が深い錦繍谷の美しい景観は、多くの観光客を魅了する。