ヤムドゥク湖(羊卓雍湖)

  羊卓雍錯、チベット語では「白鳥の湖」という意味、岡巴拉山谷にあり、瑪旁雍錯、納木錯と並びチベット三大聖湖と称されている。標高4,250mに位置し、紺碧の湖水が荒涼とした大地に美しく映える。この湖には水出口がないものの、周りの雪山から流れ込んだ水量と蒸発量が自然に均衡していることはとても奇妙だ。湖中には16箇所の島があり、3箇所に寺が建てられ、2箇所に住民が住み、その他は無人島、数類の鳥がここに住んでいて、鳥の楽園となっている。
  大正元年に入蔵した日本人僧侶・青木文教が、湖の美しさを「磨きたての瑠璃板のようであった」と評したほどだ。また、かつてダライ・ラマの後継者の選定は、この湖畔でも占われていたといわれている。