世界で最も困難と言われた鉄道・宜昌-万州鉄道が開業

2010年12月23日

  2010年12月22日に「橋トンネルの博物館」と言われる宜昌-万州間に一級電気化幹線鉄道が開業した。武漢から重慶までの運行時間はそれまでの18時間から10時間の短縮を可能にし、およそ8時間で行き来することができる。

  宜昌-万州鉄道が経由する地域の大部分はカルスト地形で形成され、石灰石と地下水流が満遍なく行き渡り、その影響で岩石の安定性が悪く水が岩石の隙間に溜まり、結果的に鉄道建設に耐えられないとされ、全長377 kmということも含め「世界で最も敷設の困難な鉄道」と言われてきた。

  鉄道の全長のうち橋とトンネルの総長は278km、これは全長の約74%を占める。さらに159本のトンネルのうち約70%がカルスト地形に位置し、その中の34本にあたる地域が敷設にあたり高い危険と不安定さを伴っていた。

  1996年に地形調査を開始してから、2010年8月18日の完成に至るまで、225.7億元の投資と14年の年月をかけた。これは中国内での鉄道建設期間が最も長く、1kmごとに平均6000万元という金額かかっていることになる。この鉄道区間の敷設価格は中国で最も高い。