「酸魚」と「酸肉」-広西省三江トン族の独特な食文化

2012年05月30日桂林の生活

中国は広い国で、各地の地理の環境(海、草原、山林、盆地、湖など)及び自然環境(乾燥、湿潤、酷暑、厳寒など)もそれぞれ違います。それによって、色々な特色のある食文化と生活の様式が形成されました。広西チワン族自治区にある三江トン族自治県の少数民族の人たちは自分の特有なな食文化を持っています。
桂林から約150キロ離れた三江県はトン族の人たちが集中する所で、温暖と湿潤の気候で、肉や野菜などを保存することは非常に難しいことです。地元のトン族の人たちは長年間の生活の中で、肉や野菜などを長く保存できる方法を探り出しました。すべてのトン族の家庭にはみんな漬物を作るための壺と木製の桶を持っています。菜園から採った野菜
から蕨や、筍や、チャンチンまではみんな漬物の材料になります。そのほか、川から捕ったえびと小魚も漬物に作られます。トン族の漬物は「素酸」と「葷酸」の二種類あります。素酸」を作る道具は陶器の壺です。「葷酸」を作る道具は木製の桶です。「素酸」は野菜、大根、唐辛子などの材料で使います。「葷酸」は鶏、アヒル、魚と肉などの材料を利用します。
「素酸」の作り方:一、漬物の材料を綺麗に洗って、萎れるまで陰干します。二、その次は塩を十分につけます。三、最後にはもち米のご飯、甘酒、水などと一緒に陶器の容器に入れます(蓋をするときは空気が入らないように気を付けること)。二週間ぐらい経つと食べられます。
「葷酸」の作り方:一、材料の内臓を取り出してから奇麗に洗います。二、塩で均一につけます。三、三日間ぐらい漬けてから材料を桶から取り出します。材料を陰干した後、お腹に甘酒の酒粕もち米ご飯、唐辛子、生姜などを入れて、密封します。三ヶ月経ったら食べられますが、時間が長ければ長いほど味がです。
「酸魚」と「酸肉」はトン族の一番独特な食品で、重要な祭りと大事なお客さんが来る日でなければ、食べられないものです。トン族の人は毎日酸っぱい料理を食べます。一日酸っぱい漬物料理を食べないと口が寂しくなるそうです。
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トン族の人は一番いい物ー「酸魚」と「酸肉」でお客さんを招待していました。。
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「百家宴」の料理は酸っぱい料理が多かったです。
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トン族の人はこんな壷で「素酸」を作ります。
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いんげん豆の酸っぱい漬物です。
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 「酸魚」、「酸肉」と「酸鴨」です。
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 「酸魚」で作った料理です。
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 「酸肉」で作った料理です。

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コメント(4)

作者:( 「ふれあい中国」)

お客様からのコメント

1有留2012/06/03 04:53返信

「酸魚」、「酸肉」、「酸鴨」は、真にもって興味ありますね。どのような味覚なのでしょうか?未だ口にしたことはありません。 「酸魚」は、日本の近江地方、琵琶湖に近いところで「鮒寿司」を長期保存食として、樽に鮒を漬けて食する文化があります。私が、初冬から大寒にかけて作る鴨、鮭、豚の乾燥燻製とは全く違いますね。侗族が作る、 「酸魚」、「酸肉」、「酸鴨」は、簡単に言ってしまえば、「発酵食品」なのですかね。甕の中でじっくり、自然発酵させてうま味を引き出す製法でアミノ酸たっぷりの健康食品でしょう。片や燻製は漢族が「春節」に食べる食品ですが。侗族の人々はこのような発酵食品を常日頃食用していると長生きにつながっていくのではなかろうかと考えます。100歳以上の長生き老人が多勢いる「巴馬」の少数民族村もきっと侗族が食べている「発酵食品」を食べているのでないかと考えないわけにはいきません。少数民族「侗族」の歌垣(うたがき)の研究をしている私ですが、彼らが歌う「蓮花坪」という歌垣は若い男女がお互い唱和し合う素朴な歌を録画したいものです。『詩経』、邶風の中の「匏有苦葉」のような男女の相聞を聞きたいものです。黒の衣装をまとった男性がお客を饗応する写真を見ると、私も駆けつけて仲間に入れていただいて酒宴を挙げたいものです。 陸さんがうらやましい。なぜって?観光案内をするには、事前に下見を兼ねてこのような少数民族村を訪ねて歩けるからね。おいしい料理いただけることと、嶺南の伝統文化を大事にして生きている人々と交流できる、このような機会を経験できる人は多くはいませんね。是非、映像化してDVDでもって世界に広西の民族文化を広めてほしいものです。

  • 2012/06/04 17:16

    先生、コメントいただき、ありがとうございました。先生の知識の豊富さに再びまいりました。先生と一緒に少数民族の村とか、特色のある古村、古鎮を旅するのは私の夢です。ご一緒にいるといろいろと勉強できることに違いないと思います。観光コースの下見をすることは楽しいことですが、酒の弱い私は酒の強い少数民族の人々と付き合う時に困ったこともありますね。これは幸せな悩みだと言えますね。とにかく、先生の期待通りに頑張ります。

2霞客2012/06/01 07:42返信

三江トン族の料理の代表とされた’酸肉’、’酸魚’、’酸菜’の写真を見せてくれて、ありがとうがざいます。少し辛いようですが、きっとおいしいでしょうね。これは素朴なトン族たちの真心を込めて作ったものだから、招待されると気持ちが嬉しいでしょう。暇があれば三江県に行って見たいものです。

  • 2012/06/04 16:19

    仕事の関係で、たまたま三江トン族自治県に行きました。トン族の村に行く度、地元の人はよく大事な「酸魚」、「酸鴨」、「酸菜」などを出して招待してくれました。「酸菜」と「酸肉」は美味しかったですが、「酸魚」、「酸鴨」は慣れませんでした。また、トン族の「甘酒」は弱くて飲みやすかったですが、飲みすぎるとやはり酔ってしまいました。中国は多民族の国で、民族によって、風習も色々違いますね。できればすべての少数民族の所へ回ってみたいと思います。

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