お正月祝いのチューリップ展覧会に行ってきた
2013年02月11日中国文化
新年あけまして、おめでとうございます。
去年中、筆者の拙文をご愛読くださいまして心から感謝の気持ちを表したいと存じております。皆様のご貴重な時間をお割きになり、拙文をお読みいただきまして少しずつお役に立つものであれば筆者にとってこの上もない喜びとなります。今年も皆様のご期待に応えられるように、更に頑張っていきたいと覚悟しています。どうか今年もよろしくお願いいたます。
2013年2月10日は、中国の伝統的お正月の一日に当たり、桂林市でもお正月祝いのムードを盛り上げようとして市の訾洲公園でチューリップ展覧会を開催することになりました。公園によるとこの日から三日間のうち、市民の身分証を見せれば無料で入園できるとしています。公園責任者の話によると、今年が例年より更に種類の多いチューリップを導入して展示するとして、これまでなかった規模で展示して来場者に楽しんでもらうと言っています。「訾洲」はもともと桂林市街地の漓江川にある中洲であり、霧雨に煙る時、水墨画のように見えたことから、昔から「訾洲煙雨」と呼ばれ、古い「桂林の八景」にも納められました。更に秋になると訾洲の紅葉がきれいに染められ、漢詩の題材にまで取り上げられました。「訾洲の紅葉、桂林の秋」という風情が有名なものです。訾洲公園は歴史が古くて唐代元和12年(西暦817年)当時の桂州刺史兼桂管観察使(最高長官に当たる)だった裴行立が初めて公園を目指して開拓しました。園内でたくさんの植物を植え、また風流たっぷりの建築物などを建てたとされています。同じ唐代の大文豪である柳宗元は訾洲の景色に魅了し《訾家洲亭記》という紀行文を記し、桂林山水の美しさを称えました。約3年前に、桂林市政府が昔の訾洲の面影を再現させようとして必要な施設などを建築して数多くの植物も植えつけました。現在、見事に昔ままの「訾洲紅葉」や「訾洲煙雨」などを回復させたばかりではなく市民たちの気持ちのいい憩いの場所ともなっています。
筆者は昼12時ごろ、訾洲公園に行きました。案の定、公園の入り口で入場者で賑わっており、殆ど家族連れの市民たちが列に並び、入場しました。この日は折よく空が曇っていてお天気なので、(実際、桂林は冬の間、雨が降らなければ『お天気』と思われるぐらいです)市民たちがお正月祝いの気分の中で、せっかくのチューリップ大会を楽しむ気持ちが十分理解できるものです。園内に入って見ると、きれいなチューリップ会場で市民たちがめいめいに彩りのチューリップをバッグに写真を撮ったり、鑑賞したりしました。また可憐なチューリップの花に顔を近づけて素直に嗅いでいる子どもの姿も見られました。市民たちが花の鑑賞のついでに広さ約24.5ヘクタールにも及ぶ訾洲公園を散策していました。みんな訾洲公園ゆかりの歴史の人物を偲びながら旧正月の気分をたっぷり堪能することが出来ました。
早速ですが、写真で訾洲公園でのチューリップ展覧会などを楽しんでいただきたいです。
公園の入り口で入場者がなだれこんでいます。市民たちは無料で入場できます
園内に入ってくると、どこでも見物客で賑わっています。さすがにお正月の関係でみんなのんびりしていました。
公園の中に築いた築山であり、上から人工による滝が流れていました
築山に「訾洲煙雨」という桂林の伝統的「八景」を刻まれています。
公園の大木にお正月お祝いにたくさんの提灯が飾られています。いかにも中国らしい飾り付けですね。
訾洲公園にきれいにデザインされた「竹の本」であり、いずれも訾
洲周辺の景色の美しさを賞賛した大文豪たちの名言です。ユニークな形なので人々の目を引いています。
黄色いチューリップをバッグに興味津津に写真を撮っている市民たちです
実際今回のチューリップ展覧においてかつてなかった品種が揃っており、名前がそれぞれ異なりますから人気が集まっています。例えばこれが「狂人の詩」と訳されています。
赤色のチューリップはなぜ「エスケープ」と関係があるのでしょうか。ちょっと不思議ですね。
名前が「ジャンボピンク」と言って面白いです
これが「サハララリー」と言います
これが「カローラー」と言います
訾洲公園には昔から有名人の足跡が残ったとされる記念物も多く安置されています。これが唐代に初めて訾洲公園を開拓した桂州刺史に勤めた裴行立(774~820)を記念する石碑です。訾洲の美を称えた第一人者とされています。
唐代の大文豪である柳宗元の彫刻像であり、「訾家洲亭記」という紀行文を記して更に訾洲の知名度を上げました
これが南宋時代の張孝祥(1132~1169)の彫刻像であり、彼が1165年に静江府(当時の桂林の別称)に長官として勤めた際、よく訾洲で遊覧したことがあると考えられています。
訾洲公園には樹齢1000年以上の楠の大木があり、天然の記念物と指定されています
同じ南宋時代に桂林に長官として赴任してきた有名人の範成大(1126~1193)の彫刻像です。
訾洲公園から漓江川の向こうに桂林のシンボルである象鼻山も丸見えになっています。
丸く空いているのが有名な「水月洞」であり、「象」の「鼻」とも想像できる所です。
川面で普段でも筏で市内の漓江を遊覧する観光客が多いです
20世紀30年代に画壇でよく知られた巨匠である徐悲鴻が霧雨に霞む訾洲辺りの美景に魅せられ、山水画のスケッチに最も最適だと思い、よく訪れたということです。一番右の人物が徐悲鴻です。
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作者:( 「ふれあい中国」)
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