西湖と隱山―桂林西山公園の見物(一)

2016年09月27日中国観光ガイド

   先日、桂林西山公園を見物に行きました。

   西山公園は主に西湖、隱山と西山の三つの部分からなり、一面に湖、三面に峰々に囲まれて、自然の風景が非常に素晴らしい庭園式の公園です。早くも千年前の唐代から開発され、それぞれ唐代の鑑真和尚、宋代の米芾と範成大、及び明代の方信孺と徐霞客などの名人がここを訪れたことがあります。

   史料の記載によると、唐代に中国には西湖という湖が36箇所もあり、桂林の西湖は一番大きい湖だそうです。広さ600畆もあった西湖は水が透き通っていて、夏になると果てしない蓮の花が咲くと壮観そのもので、大勢の人が鑑賞に行ったそうです。現在、西湖はだいぶ狭くなりましたが、夏頃に市民が蓮の花を見物する主な所です。

   家族で西湖に船を浮かべて、ゆっくりすることもよろしいですが、何よりも楽しいのは錦鯉に餌をやることです。観光客が餌を投げ出すと、大勢の鯉は先を争って、餌を奪って、激しい音を立てました。鯉も人間社会と同じく競争が厳しいなと感慨深かったです。

   池の向こう側に濃い緑に覆われて、見えつ隠れつする小山があり、それは隱山といいます。九曲橋を歩いて、対岸の隱山に渡ると、隱山六洞の見物ができます。隱山にはつながった洞窟が十数あり、唐代の李渤が開発した北牗洞、朝陽洞、白雀洞、嘉蓮洞、南華洞、夕陽洞の六つの洞窟は有名で、隱山六洞と言います。近くには華盖庵と法蔵禅寺があり,普段は静かですが、旧暦の1日と15日には線香を焚く参拝者でいっぱいになります。

   桂林は日本の熊本市とは有効姉妹都市で、公園の中には日本の民居式の建物があります。それは1990年の10月に姉妹都市の熊本市の出資で建てられた桂林熊本友誼館です。1988年私は交換留学生として、日本に派遣されて、熊本大学に一年間留学しました。光陰矢のごどし。あっという間に28年が過ぎて、20代の大卒が白髪だらけの50代のおじさんになってしまいました。熊本の皆さんはお元気でしょうか。あのユニークな桂林熊本友誼館も改装され、前の様子とだいぶ変わりましたが、「世世代代友好」の石刻だけが昔のままで変わりませんでした。


一面に湖、三面に峰々に囲まれた西山公園です。



秋の西湖の枯れ蓮です。




濃い緑に覆われて、見えつ隠れつしている隱山です。



隱山六洞の第一洞―北牗洞です。唐と宋時代の石刻がたくさん残されています。



法蔵禅寺です。



改装した友誼館は前の様子とだいぶ違いました。



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コメント(2)

作者:(陸耀雲 「ふれあい中国」)

お客様からのコメント

1筑波の虎2016/09/28 10:25返信

西山公園について詳しく説明あり、興味深く読みました。 桂林の目抜き通り「十字路口」からそう遠くはないところに有る西山公園、バスに乗って訪ねてみたい公園ですね。「芸術館前」からバスで15分程度で行けるでしょうか。 公園の左側の道を進むと、左側に「桂林熊本友誼館」がありましたね。去年、今年の年初に訪ねてみましたが、建物の全体が壊れかかっている状態で、もう壊すのかとおもっていました。陸さんの写真を見る限り、新たにリニューアルしておりますので、もうじきopenするのでしょう。 此処を「中日友好」の拠点にして、多くの桂林の市民と在桂林日本人、桂林に旅行で来た日本人との交流の場として活用できたらうれしいです。日本文化、日本食の紹介、それに日本語学習活動など、「桂林熊本友誼館」の使い方は大いにありそうです。ホームページも作りappealの仕方によっては、熊本県人、九州人、いや日本人の観光客を呼び込めるかもしれません。 桂林にたくさんおられる「日本語観光ガイド」の仕事も増えるかもしれません!! 来月、桂林にいきましたら早速訪ねてみたいと思います。

  • 2016/10/10 11:12

    虎ちゃん、こんにちは。コメントどうもありがとうございました。ゴールデンウィークの間、回復ができなくて、どうかご勘弁ください。熊本館が回復できない破壊されて、ほんとに心がいたかったです。十数年前、西湖と熊本間をロケにして結婚記念の写真を撮ったことがあります。園内にある友誼樹の銀杏と桜の木がまだありますが、昔の日本式の建物は見えなくなってしまい、とても残念なことです。

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