梵净山

梵浄山は中国の少数民族が多く住む貴州省に位置しています。貴州省の銅仁市に属し、松桃県と印江県、江口県の境目にあります。総面積は41900平方キロメートルあり、武陵山脈の主峰として、鳳凰山の標高は2,572 mにも及びます。梵浄山は「貴州第一名山」、「武陵第一峰」とも呼ばれています。

梵浄山の名は「梵天浄土」に由来し、中国の仏教道場です。原始的な洪荒は梵浄山景観の特徴であり、雲滝、禅霧、幻影、仏光など四大天象の奇観は、梵浄山に神秘的な色彩を与えています。梵浄山は西南地方では2千年余りの歴史を持つ文化名山で、春秋戦国時代に楚国の「黔中地」に属し、秦代には「黔中郡」、漢代には「武陵郡」に属し、以後「武陵蛮」が崇拝する神山、聖山です。梵浄山は中国10大仏教名山の一つとなっており、弥勒菩薩の聖地として有名です。明清の時代から、弥勒と梵浄山の伝説は現地の人々に広がってきました。古人の建てた金頂峰にはお釈迦様おおつかのおお殿があり、梵浄山は仏教の象徴的存在となりました。明代の「勅賜碑」の中には、弥勒と梵浄山にまつわる記載が残っており、「無辺法界,極楽天」(法界は果てしなく、極楽天宮である)と称しました。明の万暦時代と清の康熙時代には梵浄山という名が与えられ、金頂の付近では不思議な光と影が見られ、古人たちは弥勒菩薩。西路の朝山古道にある「拝仏台」から梵浄山を眺めると三体の弥勒菩薩像が見られるそうです。新金頂は坐像の弥勒菩薩像であり、老金頂はキンシコウが弥勒菩薩像を崇める姿であります。そして最後は主な峰を合わせて見ると横になっている勒菩薩像に見えるようになります。貴州で著名な作家であった張克さんは梵浄山を訪れた時、数百里離れた印江県弥陀寺から梵浄山を眺めた際、同じく金頂に巨大な弥勒菩薩像が見ることができることに気がついたと言いました。

  梵浄山はまた自然保護区であり、亜熱帯原生生態系を保存しています。梵浄山は4.2平方キロメートルの原始林があり、多種の植物区の地理成分が集まっており、植物の種類が豊富で、中国西部の中亜熱帯山地の典型的な原生植物の保存地です。区内には植物種数2000種余りがあり、その中に高等植物は1000種余りがあり、国家重点保護植物はキョウチクトウなど21種があり、大面積のキョウチクトウの分布が併存していいます。梵浄山には脊椎動物が382種あります。そのうち国家の保護を受けている野生動物は貴州キンシコウは国家一級重点保護動物、「梵浄山の精霊」と呼ばれ、「地球の一人息子」は約700頭が現存し、貴州省内の武陵山脈の梵浄山にのみ分布しています。「地球のオアシス」、「動植物の遺伝子庫」、人類の貴重な遺産と呼ばれています。1982年に国連から生物圏保護区に指定されました。201872日、バーレーンのマナマで行われた第42回世界遺産委員会において世界自然遺産に登録されました。