カシュガール大バザール (喀什大巴扎)

カシュガル大バザール(喀什大巴扎)はカシュガル市の東門にあり、中国北西部において最も規模の大きい国際的貿易市場で、「バザール」というのはウイグル語で「市場」を意味しています。カシュガル市はアジアとヨーロッパ大陸の中心に位置し、周辺にある5つの国と繋がる交通の関所があり、西安から西へ進むと天山山脈からカシュガルに合流することから、昔から交通の要衝として利用されてきました。その結果、シルクロード沿いでも各地から集まった商品の集散地として名高い町でした。また、カシュガルの大バザールは約2000年の歴史を歩み続けており、古代アジア最大の定期市と称され、現在中国では「中西亜国際貿易市場」という名称で呼ばれています。2000年もの歴史を持つ伝統的なマーケットです。その長い歴史の中で、紀元前128年に張騫が使者として西域を訪問した時、その当時西域36カ国の一つに数えられていた疏勒国(現在のカシュガル市)を訪れ、「城郭周辺は荷車や馬で溢れ、多種多様の品物が揃い、キャラバンの往来と大勢の商人の交易に目を引かれた。市場を行き交う人々は色鮮やかな服を着て、聞いたことも無い言葉で語り合う、まさに国を跨いで繁栄しる貿易市場である」を語っています。
17ヘクタールの広大な敷地の中には21の専門エリヤが設けられており、4000を越える屋台と飲食街から構成されています。また、各種商品総数は9000種に上り、毎日10万人の人々がここを訪れ、年間総売上金額は1億2500万元に達すると言われています。

1992年以前、カシュガルの大バザールは日曜日だけに開かれましたが、紅其拉甫門戸と吐尓朶特門戸が開放されて以降、さらに賑やかさを増しました。毎日、周辺の諸国から数多くの商売人や観光客がここに集中し、物々交換のほかにも自国の物産を販売し、さまざまな商品を買い付けています。そのためこの市場では近隣諸国の言語が使用され、ますます国際色豊かな風景が見受けられます。さらに、一日中あちこちが人で溢れ、押し合いになることもあります。様々な品物の中にはパキスタンの工芸品、トルコのマフラー、キルギスタンの望遠鏡、サウジアラビアのドライフルーツや木の実のようにバラエティに富んだ物もあり、価格が安い上に品質もよく、多くの人々を満足させています。さらにここではウイグル族の工芸品、日用雑貨、果物、野菜、各種生産物資、家畜など新疆ウェグル族自治区の物産やお土産がより豊富に揃えられ、人気を集めています。
大バザールを訪れる上で注意事項がいくつかあり、まず、多くの人で混雑が予想されるため、貴重品にはお気をつけください。次に広大な敷地であるためご自分の観光バスの駐車場を覚えておいてください。