滇池

滇池(てんち)は昆明市の西南部にいちします。旧称は「滇南沢」、別称は「昆明湖」、断層の陥没により形成された湖で、湖面の海抜は1836m、最大水深8m、南北39㎞、東西13㎞、総面積は300?、湖岸の全長は163㎞あり、雲南省最大、中国国内第6の大きさを誇る淡水湖で「五百里滇池」と称えられています。
滇池は長江系に属し,湖の東、南、北の3方から盤龍江、金汁河、金象河など大小20を超える川が流れ込み、西の普渡河を通って金沙江に注ぎ込んでいます。また、滇池の周囲には金馬山、碧鶏山、蛇山、白鶴山が聳え立っており、その山々が屏風のように北からの寒波を遮っていることで、昆明は1年中穏やかな気候に恵まれ「春の城」と称されているのです。

ここは土地が肥え水が豊富で、石器時代の頃から人々が住み着き文明を生み出してきました。春秋戦国時代に「滇」という少数民族の一部落が湖のほとりに居住していたことが滇池の名前に由来しています。そして紀元前3世紀に楚の将軍だった荘蹻が滇池のほとりに滇王国を建国し、紀元前109年に漢の武帝がこの土地を治め、滇国王に「滇王の印」として金印を授けました。その後1274年には雲南行省が設けられ、治所を現在の昆明に置かれるようになりました。

滇池は風光明媚な避暑地として昔から有名で,歴史文化を持つ名所旧跡が多いことから「高原の明珠」とも称され、現在では滇池風光名勝区の名で重要風景名勝区に認定されています。ほとりには西山が高く佇み、北には大観公園、南岸には大航海家鄭和の記念公園、東岸には石賽山古墓群遺跡があり、「滇王の印」である金印はそこから出土したものです。ほかにも華亭寺、太華寺、筇竹寺といった古刹があり、雲南民族村、雲南民族博物館、国家体育訓練基地など昆明の各スポットが周囲に点在しています。西山と民族村の間はロープウェイが通じていており、西山の絶壁からの滇池の眺めが絶景です。また、大観公園と民族村の間には観光船が運航していており、滇池巡りをすることができます。

海埂公園
海埂公園は滇池の北東に位置し、滇池に面して造られた公園の一つで、東隣には国家体育訓練基地、北隣は民族村があります。滇池を挟んで対岸には西山が聳え、海埂公園から眺める西山は身を横たえた「睡美人」に似ているといわれています。公園内には4kmの長堤が作られて滇池の中へと伸び、柳の木が植えられ、夏は市民の避暑散歩に最適の場所とされています。冬になると海埂公園の湖面には多くのユリカモメが静かに浮かび、その穏やかな様子を見にたくさんの人々が訪れます。