東日本大震災後、初めての中国からの関東地区へ向けた観光団体

2011年05月23日

      2か月余りの空白を経て、5月20日、東日本大震災後、初めての中国からの関東地区へ向けた団体旅行が瀋陽を出発した。日本の観光産業が待ちわびた中国人観光客が東京に戻ってきたのだ。

 「貴賓」待遇のおもてなし

 日本に到着すると、この13人の団体客は貴賓扱いの歓迎を受けた。20日、成田に到着すると、日本の観光庁から溝畑宏長官が自ら飛行場で出迎え、多くのメディアが競ってこの模様を報道した。21日昼、この団体が渋谷の東急百貨店に買い物に行くと、正門の前で十数人の店員や記者が空港と同じように待ち構えていた。

 「皆様は本百貨店に震災後初めて来てくださった中国人団体客のお客様です。ほんとうにありがとうございます!」百貨店が準備していた歓迎セレモニーで、東急本店の浦岡良夫店長は最初に感謝の言葉を述べた。「寒い」冬の後にやっと最初の「春風」が吹いたようだと、浦岡氏は次のように続けた。「このたびのご旅行で中国のお客様に東京は安全だとわかっていただき、不安を払しょくしていただけるものと思います。最高のサービスをご提供いたします!」。東急はこの団体客のスムーズなショッピングのために、専任の中国人スタッフを売り場案内と通訳につけた。これは年頭から中国人団体客のために始めたサービスで、そして今回「3.11」震災後、初めて威力を発揮したサービスだ。


     この団体旅行に参加したある観光客は洋服の購入の際、思いがけないエピソードにであった。日本の百貨店はどこも洋服を購入した顧客に無料でパンツのサイズ直しを提供している。だが、サービスの品質保証のため、指定工場で行うので1週間前後の時間がかかる。この旅行は東京に3日しか滞在しないので、観光客はあきらめるしかなかった。「このような細かい事柄はお客様に接しているときにしかわからないことだ。すぐに解決方法を考えよう。」東急の宣伝部、仙石さんは申し訳なさそうな面持ちでいったが、やはり喜びは隠せない。2か月余りの空白期間を経て中国人観光客が返ってきたことに、観光業界は一筋の希望を見出している。

 日本では各マスメディアがこぞって旅行団の全行程を報道

 東急百貨店で自由行動でも、中国人観光客は数台のカメラに囲まれ、一挙手一投足を撮影されていた。「こんなうれしいニュースは久しぶりだ。」日本のある有名テレビ局の記者が、メディアが注目する理由を説明していった。 中国の日本観光市場の回復が注目されるのは、百貨店に限らず、環境立国戦略や企業、各産業分野に及ぶためだ。この小さな動きが全体に影響する。重要なのは、放射能漏れ事故による風評被害で一部の日本製品が敬遠されていることだ。震災後、初めて東京に来た中国人観光客が日本製品への信頼や積極的な消費をしてくれるかどうかが、中国の日本観光市場を試していることであるし、日中経済の先行きを占うことになるという。