思渓延村

 思渓延村は婺源県の中央に位置し、思渓と延村は500mほど離れた清流と屋根橋、古建築の残る上下一体の村である。
 思渓は南宋慶元5年(1199年)に建立し、村落の周囲には山水風景が広がり青々とした山と清流、輝く田園といった風光の中で住宅群と自然が絶妙に調和している。村内には清代商家住宅「振源堂」「承裕堂」「承徳堂」「孝友兼隆庁」や木彫りや石彫り等の彫刻工芸が安徽派民俗居住建築の特色を大いに体現している。
延村は北宋元豊年間(1078-1085年)に建立し、明代私塾と清代の「余慶堂」「聡聴堂」「篤経堂」等の民家が現存しており、多くは明清時代から密かに守られてきた。現在100余りの世帯の中に名居が103棟あり、その中で清代建築が56棟、重点保護建築が13棟あり、歴史文化の名村と呼ばれている。その建築は白壁と黒瓦で構成され、その黒白の色彩効果は素朴で洗練された美しさを感じさせる。