天后宮

  天津の古文化街の通り沿いにある天后宮。俗に娘娘宮とも呼ばれる。創建は1326年(元の泰定3年)。
“天后”とは、海の守り神のこと。もともとは、宋の時代、福建のあたりに住んでいた林名黙という女性が、海に出ては遭難者をことごとく救ったという言い伝えから、のちに海上の女仙人として祭られたことに由来する。以来、漁師や船乗りたちの信仰の対象となった。
  元朝は、大量の食糧を南方から都(現北京)へ輸送させていたが、その際、まず海路で天津まで運び、それから運河をつかって都へと運んでいた。そこで元朝は、海上・航海の安全を祈願するため、海の守り神を祭る天后宮をこの地に建立した。
  毎年旧暦の3月23日(天后の誕生日)には、天后宮を含む古文化街一帯で、“皇会”というお祭りが盛大に行われる。龍舞、獅子舞、太鼓、芝居、武術などが上演され、大変な賑わいを見せる。