艾丁湖

  艾丁湖は「艾丁」がウイグル語の「月光」という意味であり、艾丁湖は「月光湖」という解釈が一般的です。湖面の形がお月様に見えるからこう名付けられました。また湖面に結晶した白い塩層が太陽に白く輝き、月の世界にも見えるから命名された一説もあります。ここは新疆ウイグル族自治区のトルファン盆地の南に位置し、トルファン市から西南に30キロ程離れる塩湖です。艾丁湖は豊富な塩や?硝が貯蔵され、3億トン以上あると言われます。無尽蔵の化学工業の原料基地だと認められています。艾丁湖のこれらの掛け替えのない資源を有効に利用しようとして湖畔で1959年に七泉湖化学工場を建設することになりました。工場が精製した塩や無水硫酸ナトリウムなどが国内外に出荷してよい評判を獲得しています。湖面の海抜がマイナス154Mなので中国で一番海抜の低い場所と言われています。湖が絶え間ない蒸発により湖面の大部分が枯れてしまった結局、強烈な色彩を呈する分厚い塩湖になったのです。


   世界の二番目の低地とも言われる艾丁湖は、また世界有数の熱くて乾燥する所でもあります。年間20mmしかない降水量の代わりに水分の蒸発量がその何千倍にも達します。年間平均気温が14度ほどですが、極端気温が48度になることが珍しくないです。夏の地面の温度が80度以上を超えることがあり、中国でもっとも暑い場所として注目を集めています。


   面積152平方メートルに達する艾丁湖は、覚洛塔格山脈系に属するから、古代の文人たちに「覚洛浣」とも呼ばれたことがありました。艾丁湖は大体それぞれ東西の長さ40キロ、南北の長さ8キロあります。平均水位が0、8Mにとどまる湖水は、周囲の山から雪解けの水と以下にあるカエンズの水による水源なので、年間の水位やが一定していません。そして湖面の大きさも測定しにくい一面もあります。大体冬の間、灌漑用水と蒸発の減少のために、湖に流れる水量が豊富になり、水位が少し上がりますが、夏になると蒸発が激しくなるばかりなく、灌漑に使う水も多いから湖に流れる水が極端に少なくなるから水位がめっきり下がります。特に蒸発の最も厳しい真夏に湖水の鉱物化が進んでおり、一グラム当たりに含む鉱物が210グラムの水準にも達していると分析されます。現在、既に枯れてしまった湖の北側が一面の塩の表面が現れました。そして川の上流にあるダムの建設や冬季の灌漑の増加に伴い湖に流れる水が更に少ないだろうと見られます。


   学者の調査によると艾丁湖は2、49億年前のヒマラヤ山脈の造山運動により、形成された湖だったと言います。およそ2万年前に今の塩湖に定着したのではないかとも見ています。その時の湖面が今の1000倍も広くて環境的にも今と全然違う様相を呈したということです。ところが昔とだいぶ表情が変わった艾丁湖は、降水が少なくなるので気候が乾燥し、水蒸気の蒸発も激しくなったのです。長い年月の間、湖水が枯れてしまい、とうとうスケールの大きい塩湖と様変わりしてきました。艾丁湖の湖畔に立つと、往々にして湖面に現れる蜃気楼の現象に魅せられ、すっかり乾燥した湖面だと勘違いし、うっかりして沼地にはまってしまうケースがあります。


   艾丁湖の周囲には普通鳥なども飛来することがなく、湖水の中には魚などもあまりいないです。ただ果てしなく広がる叢に野兎やネズミなどしか見つかりません。このようなユニークな地理現象や典型的な砂漠地帯に惹かれた観光客がよく訪れてきて、アドベンチャーの心理を満足させようとします。ここが中国野生の駱駝を守る保護区としても知られています。