万仏宮

  万仏宮は新疆ウイグル自治区のトルファン盆地に位置し、有名な火焔山と隣接しています。敷地面積が約3万平方メートルに達する万仏宮は1995年1月に一般開放されたトルファン地区におけるもっともスケールの大きい人工による大漠土芸館です。緑滴る木頭溝の畔にある万仏宮は炎が燃えそうに見える赤褐色の火焔山と鮮明なコントラストを成しているうえ、独特な建築様式を見せています。更に312の国道にある便利さに恵まれることから、トルファン地区で人気のある観光ポイントに成長しています。


   万仏宮の玄関に立つと、正面玄関に高さ14Mの煉瓦で築かれた、きれいな模様で装飾された扉が見えます。一見すれば、地元のウイグル族らしい建築様式とトルファン現地の葡萄乾し小屋のイメージを採用して造ったものが分かりました。扉を抜けて中に入ると、幾つかの高低起伏に配置されたドーム型の天井になっている建物が見えます。これらの物を見ると新疆の西域ならではの神秘的な雰囲気が感じられ、荒涼たる果てしもない大砂漠に思わず尽きない空想をさせられるのです。手前の庭を抜けていくと、目の前に三つのドーム型天井がお互いにつながっていて現れます。そしてドームの周囲にもサイズの小さい塔が配置されています。あたかも金剛法座造形の寺院のように見えます。ここが即ち万仏宮のメイン部分です。


   大型の宮殿にも見える万仏宮は三つのそれぞれ直径10M、高さ12Mのドーム型の建物により構成されているので、今まで新疆における最も大きい古代の仏教芸術を展示する「宮殿」とも言われます。


   万仏宮の宝物と言われる「糸路宮堡」、「哈拉和卓」、「鉄扇公主」、「唐僧講経」、「弥勒仏」、「観音堂」などの大型レリーフに魅せられ、訪れる観光客が後を絶たないほどです。これらのレリーフが合わせて20以上の観光スポットからなっており、内容がきわめて豊富です。その内容が昔の神話から、民俗風情や慣わしなどまで多く含まれています。 歴史の舞台に登場した有名人の偉業や、ウイグル族の民間に伝えられた伝説そしてトルファン地方に広まった様々なエピソードを手掛かりとして宗教、民俗、舞踊、コレクションなど四つの泥細工の造形により、西域の重鎮であるトルファンに展開された波瀾万丈な歴史の絵巻を生き生きとして表現したり、立体的に表したりしています。


   イスラム教文化の息吹きがたっぷり漂っている万仏宮の10M高さのアーチ型のゲートを抜けると真ん中に高さ10Mの座仏が安置されたのが見えます。この座仏が色鮮やかな色彩に塗られており、厳かな容姿を見せ、見た人々を威圧しています。この座仏は焉耆国で出土した彫刻の絶品と言われる赤衣仏に因んで再現されたものであり、現在新疆ウイグル自治区における最も大きい座仏だと認めています。左右に配置する二つのホールに飾っている壁画は内容として一つは拝城のキジル千仏洞にある壁画をべーすにして復元されたものがあります。もう一つはトルファン地元のベゼクリック千仏洞の壁画に基づき、復元されたものもあります。特に高昌回鶴国の国王、皇后及び供養人の人像などが真に迫るほどよく工夫されて観光客の人気を集めています。


   万仏宮は地元の砂文化を掲げるとしてユニークな沙による療養場を開設していますからご興味があれば、体験してみていただきたいです。


   万仏宮の観光に当たり、特に夏になると紫外線が強いことから日除け用品を十分持ってくるようにお願いしたいです。