華亭寺

 華亭寺は昆明西山華亭峰の中腹にあり、昆明最大の寺院で900年の歴史を誇る古刹。中国仏教重点寺院に認定されており、昆明西山森林公園内の主要観光スポットにもなっています。かつて大理国鄯闡侯?高智昇がこの地に別荘として建て、草花の豊富な土地だったことから高智昇の子孫がこの山を「華亭」と名付けました。また、かつての栄華を懐かしみ、現状を嘆く「華亭鶴唳」という故事により命名したとも言われます。元の延祐7年(1320年)に雲南名僧?玄峰が庵を結び修行したことが仏教寺院としての華亭寺の始まりで、玄峰は部廬舎那仏と十二円閣菩薩を祀る大光明殿を建て、「円覚寺」と名づけました。その後は崩壊と再建を繰り返し、明の景泰4年(1453年)に明の英宗帝から「華亭寺」の名を賜りましたが、たびたびの戦火で焼失し、清の康熙年と咸豊年に二度の再建工事が実施されました。1920年、近現代における中国禅宗の泰斗と呼ばれる虚雲和尚がこの地の住職を務め、長く廃寺になっていた華亭寺を再興しました。虚雲和尚は本来南向きであった山門を東向きに変え、鐘楼、蔵経閣を建て、大雄宝殿を修復し、五百羅漢を安置しました。大規模な工事が6年間も続き、再建された華亭寺は規模が大きく、現代の寺とほとんど同じ構造をしています。再建中に「雲栖」の字が刻まれた石碑が見つかったことから、寺院は「雲栖靖国禅寺」と改名されましたが、現在も人々には華亭寺の名で親しまれています。その後、1983年に中国漢族地区仏教重点寺院に認定され、1993年の火災で大雄宝殿が焼失してしまいましたが、各界の協力を得て華亭寺は全面的に改修されて、いまでも堂々とした姿を見せています。

 華亭寺は左右対称に配置された院落式寺院で、放生池、天王宝殿、大雄宝殿、蔵経閣が中軸線に並び、各殿の間を結ぶ回廊に沿って経堂、方丈室、僧堂、客堂などが配置されています。山門は鐘楼を組み合わせた3階立ての建築で、松の古木に囲まれ朝晩には美しい鐘の音が山中に響き渡ります。山門をくぐり、放生池の先には天王宝殿があり、天王宝殿の表門と対になって巨大な金剛力士の塑像が鎮座していて、勇ましい表情で華亭寺を守護しています。さらに殿内は弥勒像、韋駄天像、四大天王像が安置されています。

 天王宝殿を出ると中庭があり、樹齢100年を越える松やツバキ、銀杏、イヌマキなど樹が植えられています。その様子は荘厳な寺院殿宇と調和を成し、庭は上下二段に分かれ、下段は巧みに作られた小庭園で、周りは玄峰が作った円覚寺の放生池が広がっており、上段に石橋がかかっています。上段の中心には巨大な石の香炉があり、大雄宝殿の前に置かれています。庭園の両側には僧堂、客堂があり、扉の木彫りは日本でも有名な西遊記の名場面が何十枚にもわたり生き生きと表現されています。

 大雄宝殿は西山森林公園最大の殿宇で、金色瓦の屋根の上に鳥類、獣類の装飾が施され勇壮な姿を見せています。大殿は正面に高さ5mの三尊金身仏像、背後に観音菩薩が祀られており、壁一面に彩色された五百羅漢像が圧巻で、等身大の羅漢がところせましと並べられ、その表情は喜怒哀楽それぞれ異なっています。華亭寺の塑像群は彫刻と絵画の二つの芸術を融合させた傑作と言われます。