元陽の民族風情

   元陽県はハニ族が多く住む大きい県です。ハニ族は中国の古い少数民族の一つで、主に雲南省南部に住み、古代の羌族をルーツとしています。西暦7世紀頃、一部の羌族が南方へ移動し、今の哀牢山、無量山に住むようになりました。唐代に更に南東方向へ集中し、紅河、元江の岸辺に住むようになりました。この地で開拓し、ハニ族に分化しました。主に農業に従事している彼らは勤勉に棚田を開墾しました。棚田をマークする農耕文化で、元江南岸にある高山と険しい山峰一帯には見渡す限りの畑があります。山のふもとから山頂まで伸び、これはハニ族が代々勤勉に畑作して築き上げた知恵の結晶です。現在のハニ族の人びとは高い山と長い川を利用し、谷川の水を段々畑に引き入れ、天然水の灌漑施設をつくり上げています。主に水稲を栽培し、様々な経済林と茶の木を植えています。ハニ族の茶葉栽培歴史は古く、茶葉生産量は雲南省全体の3分の1を占めています。


   ハニ族は多くの神と祖先崇拝を信仰しています。万物には霊があると信じ、天地の間には全知全能の天神、地神と保護神である寨神、家神が存在しており、定期的に祭祀を行い、加護を求めます。ハニ族は火を家庭の命と考え、長く続くように火を保護します。家ごとにいくつかの火池があり、火は絶えないように火気を立てるのです。火池の用途もそれぞれあります。ハニ族には多くのタブーがあり、例えば産婦は出産時に外者の立ち入りを禁止し、村に入る時に服をかぶってはいけなく、火池の三脚架で靴を乾かしてはいけません。「竜樹」の伐採や「竜樹」の下に汚いものを置くことは禁じられています。客好きで、客が来ると宴会を設け、一杯の米酒、三枚の大きい肉を差し上げ、「もん鍋酒」と呼ばれるお酒で持てなします。客が立つ時にも、プレゼントとして一枚の大きいもちと芭蕉の葉に包まれた塩漬けた肉とおやつを贈り物にします 。