天壇

天壇は中心地の南部に位置し、273万㎡という面積は北京旧城部の3分の1を占める。ここは皇帝が天に五穀豊穣を祈願する場所。造園されたのは1420年、明の永楽帝の時代で、清の乾隆帝により1860年に拡張された、全体の構成は天円地方思想により、南側は四角に、北側は丸く造られており、その中に祈念殿、皇乾殿、皇穹宇、園丘、斉宮などの建築物を配置している。
現存する中国最大の祭祀建造物で、祈年殿は皇帝が豊作を祈願するところで、丸い瑠璃瓦の屋根を持つ建物。天壇の中で最も荘厳で美しい。三層の屋根は全部で28本の木の柱だけで支えられており、ほかには梁も釘も一切使用していない。
皇窮宇は1530年に完成した皇帝と先祖の位牌を安置する場所で、周りが回音壁という塀に囲まれている。この回音壁はレンガの継ぎ目をきれいに埋め、表面を滑らかに磨いて仕上げ、音がよく反響するように造られている。ここでは観光客が塀に耳を当てて音が反響するのを確かめている姿がよく見られる。
圜丘は天壇の南にある三層の壇場で、上から順に天上界、人間界、地獄界を表す3段の大理石から構成されている。
最上段の真ん中には円形の石があるが、これは皇帝が天に話しかけ、祈りを捧げる場所であった。ここに立って小声で話すと、音が円形の欄干に反響し、まるで青空と話しているように大きなこだまが返ってくる。
1998 年11月世界文化遺産に登録された。