重慶の文化

   重慶は中国では有名な歴史文化名城であり、3000年余りの悠久な歴史を持っています。重慶の略称は渝と呼ばれ、その由来は昔この地の巴渝文化です。巴渝文化は長江上流で最も鮮明な個性を持つ民族文化の一つです。巴渝文化の起源は巴文化であり、それは周の時代に巴族と巴国が歴史の発展の中で形成した地域性の文化です。巴人はずっと大山大川の間に暮らし、険悪な環境で頑強、強靱、野性な性格を持っています。この土地にも多くの独特な文化が生まれました。


高床楼

  重慶城は山に沿って建設され、嘉陵江と長江に囲まれ、平地は少ないのです。地勢のため、ほとんどの建物は山の斜面に沿って順次に建てされています。伝統的な重慶沿江の民家は、すべて数本の木材に支えられて、一軒の木作りの「高床楼」です。高床楼は重慶の独特な伝統的な民家の形式であり、起源は後漢時代だと考えられます。近年経済の急速な発展により、この建築様式はすでに重慶市街区では跡形も残らず、磁器口と江津区、中山鎮など古鎮の中で、趣きのある古い高床楼の建築だけが残っています。新たに建てられた洪崖洞の高床楼閣民俗建築群は、この伝統的な建築物の復旧を目指しています。また、合川区は南津街の涪江沿岸にも新たに臨江高床楼風の家屋を建て、伝統的な重慶沿江民家の特色を持っています。 


埠頭文化

   重慶は昔から長江上流の水路の交通中枢であり、川辺に埠頭は林立し、商船と旅人の往来は頻繁です。中国西南部ないし長江流域全体の都市文化がここで融合し、重慶独自の市井文化と埠頭文化が形成されました。    


川江号子

   川江号子は川江の船大工たちが動作とリズムを合わせるために、合唱する民謡の形式です。重慶から宜昌まで1000キロメートル余りの長江の部分は川江と俗称され、航路が険しく、危険な灘が密集し、暗礁が林立し、流れが急です。このため、川江では船大工の生活を詠む水上歌謡、川江号子が多く生まれました。重慶と四川東部は川江号子の主要な発祥地と伝承地です。


火鍋文化 

   重慶の火鍋は痺れるような辛さを特色とし、味が美味しいのです。大小規模の火鍋店は全市の大通りや路地に散在して、至るところで鍋料理を食べることができます。中でも名店と言えば一四一火鍋店、橋頭火鍋店、小白鳥火鍋店、山城火鍋店などがあります。鍋料理の種類は多く、赤いスープ、すまし汁、オシドリ鍋、酸菜などがあります。鍋料理は豊富で、牛、羊、豚、鶏、アヒル、ガチョウ、魚、エビと各種野菜が食べられます。重慶火鍋は季節を問わず、春夏秋冬の四季を通じて長年供給されており、特に夏の盛んな には、火鍋を食べて、大汗が出て、特別な趣きがあります。重慶火鍋は地元の人に好まれて食べるだけではなく、外国の客が来ても好んで味わいます。現在重慶火鍋はすでに全国に広がり、全世界に誉れ高く、食文化の一大奇跡となっています。